京都の三大行事

鴨川の源流とは?

草木を伝い、山の土壌に染みて・・・天の水は、やがて蕩々と流れる鴨川になる。

  • 京のけったいコラム その壱

    京都の市街地を北から南へと流れる鴨川。その流れはやがて桂川に注ぎますが、源流はどこにあるか知っていますか?
    京都府によると、鴨川の源流となるのは、京都市北西部にある標高895.8メートルの桟敷ヶ岳(さじきがたけ)。その流れは雲ヶ畑を経て、やがて、鞍馬川を加えて流れ、さらに大原・八瀬を南流してきた高野川と出町柳付近で合流します。このようにいくつもの水流が交わり、納涼床から眺める雄大な流れとなるのです。
    源流のひとつである雲ヶ畑付近では、水草や倒木の間を縫うようにして流れるせせらぎを目にすることができます。また、その山中にある岩屋山志明院では、境内にこんこんと出ずる湧水が。いつでも冷たい御神水で喉をうるおせば、水のありがたさを再確認するはずです。

鴨川の分流あれこれ

鴨川の雄大な流れから分かれ、大きな役割を担う、さまざまな分流。

  • 京のけったいコラム その弐

    鴨川には、いくつかの分流があります。
    まず、北区上賀茂を流れるのは通称・明神川(みょうじんがわ)と呼ばれる「御手洗川(みたらしがわ)」。賀茂川から分かれた御手洗川は上賀茂神社の社殿の背後を流れ、境内では「御物忌川(おもいがわ)」や「楢の小川(ならのおがわ)」と名前を変え、境内を出てから再び賀茂川へと注ぎます。御手洗川とは、その名の通り、上賀茂神社の御手洗の水で、葵祭の神事にも用いられます。
    また、二条から南下して十条通付近で鴨川に合流する小さな川が「高瀬川」です。これは、江戸時代初期に角倉了以によって開削された運河であり、約300年にわたって京都-伏見間の水運に利用されました。その高瀬舟が復元されている一之船入付近は、春は桜の名所としても知られています。
    そして、鴨川納涼床の舞台となるのが「禊川」です。加茂大橋下流で鴨川から分かれ、五条大橋付近で鴨川に合流するまで、鴨川と並行して流れます。この禊川は昭和10年の鴨川大洪水の後、河川改修で整備された人工水路。鴨川の穏やかさを保つと同時に、納涼床という町衆文化を受け継いでいます。

鴨川の歴史をたどれば・・・

暴れ川であり、文化発祥の地でもある。京都人の暮らしと共にある、鴨川の歩み。

  • 京のけったいコラム その参

    その昔、鴨川は「暴れ川」として恐れられていました。平安時代には、鴨川の堤防の修復など治水を担当する役職「防鴨河使(ぼうかし)」が置かれていたり、豊臣秀吉の頃には、鴨川の洪水対策を兼ねて京都の町を囲む「御土居(おどい)」が作られたのも、鴨川の氾濫が恐れられていたからです。
    とはいえど、鴨川沿いの河原は人々が集う歓樂地として栄えていました。河原では勧進田楽や猿樂能を行う芸人が集うようになり、町の人々の大きな楽しみに。慶長年間には、四条大橋付近の四条河原に出雲の阿国があらわられ、男装して伊達男を演じる「歌舞伎踊り」が大変な人気となりました。
    鴨川が大きな自然災害にあったのは、昭和10年6月の「鴨川大洪水」です。この時、梅雨前線による激しい集中豪雨で鴨川から水があふれ、家屋や橋梁が流出する大災害となりました。これをきっかけに河川改修が実施され、現在の穏やかな鴨川の姿となったのです。

鴨川の個性派住民たち

夏はホタル、冬はユリカモメ・・・水辺の情景を彩る、鴨川の生き物たち。

  • 京のけったいコラム その四

     美しい水が流れる自然豊かな地には、さまざまな生き物が集うもの。鴨川の水質は一時悪化の傾向にありましたが、近年は少しずつ改善されつつあります。
    やはり鴨川を象徴する生き物といえば「ユリカモメ」でしょう。日中、琵琶湖で冬を越すユリカモメが鴨川へ渡ってきては、水浴びをしたり、のんびり羽を休める姿は京の冬の風物詩のひとつ。古典では「都鳥」と表現されるこのユリカモメ、伊勢物語によると「都では見かけない鳥」であったらしく、鴨川に現れるようになったのは1974年以降のことです。
    また、先斗町の意匠としておなじみの「鴨川千鳥」はユリカモメではなく、かつて鴨川でよく見られたチドリの仲間である「イルカチドリ」であるという説が有力です。
    この他にも、天然記念物に指定されるオオサンショウウオ、夏には幻想的な灯りをともすゲンジボタルが生息するなど、鴨川は希少な生き物の宝庫でもあります。

「鴨川条例」って何?

未来の京都にも、この風景がありますよう。みんなで守る「鴨川条例」がスタート。

  • 京のけったいコラム その五

    いつまでも美しく、安心・安全に親しまれる鴨川であってほしい・・・。そんな思いのもと、平成20年4月1日より「京都府鴨川条例」が施工されました。
    適用の範囲は、高野川と鴨川の指定区域。
    「自動車・バイクは乗り入れ禁止」「打ち上げ花火やバーベキューをしてはいけない」「自転車などの放置禁止」など、それぞれに区域を細かく設定して、ルールが定められています。
    もちろん、これらの条例を破れば5万円以下の罰金などの罰則がありますが、「罰を受けないために守る」のはナンセンスなことです。鴨川がほっと心安らぐ場所であるのは、悠久の時間の中で人々に守られてきたからこそ。条例にはなくとも、例えばゴミのポイ捨てなど言語道断ですね。いつまでも変わらず、鴨川がみんなの憩いの場でありますように。

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