祭りと伝統を守り続ける千年の都・京都。
5月15日の葵祭では王朝絵巻が繰り広げられます。
7月に入ると京の町は祇園囃子に活気づき、7月14日から宵山、17日の山鉾巡行でクライマックスへ。
8月16日には五山の送り火、と夏は京のメーンイベントが目白押しです。京都へ来られたからには、ぜひ京の祭りも満喫してください。
祇園祭は貞観11(869)年、疫病が大流行したため、66本(諸国の数)の矛を神泉苑にたてて「悪霊退散」を祈願した「祇園御霊会」が起源とされます。 神事に奉納されるさまざまな芸能が発展するとともに矛が大型化していき、南北朝時代にはほぼ現在のスタイルになったといわれています。
山鉾の見どころは華麗な懸装品ですが、江戸時代豪商など富裕な町衆が出現すると、ベルギー、ペルシャ、トルコ、中国などの豪華な緞通やタペストリーが飾られるようになりました。 山鉾町が形成され、町ごとに競うようにして山鉾は華やかになっていきました。
祇園祭は7月1日から始まります。山鉾巡行の後もさまざまな祭事があり、7月31日の夏越祭で祭りは終わります。今年も無事に祭りを遂行できたことを感謝して、日常生活へと戻っていきます。
山鉾行事は平成21(2009)年にユネスコの無形文化遺産に登録。
【問い合わせ】(公社)京都市観光協会 075-752-7070
7月1~5日 | 吉符入り(日時は各町により異なる) |
---|---|
7月1日 | 長刀鉾町お千度 |
7月2日 | くじ取り式 |
7月5日 | 長刀鉾稚児舞披露 |
7月7日 | 綾傘鉾稚児結納・社参 |
7月上旬 | 京舞井上流に属する芸舞妓でつくる「みやび会」の恒例行事で、揃いの浴衣姿で八坂神社にお参りする |
7月10日 | 神用水清祓式(夜の「神輿洗式」に使う神用水を鴨川から汲み上げる神事) お迎提灯・神輿洗式(神輿を迎えるための提灯行列。鷺踊や小町踊の行列も出る。) |
7月10~14日 | 山鉾建て(日時は各町により異なる) |
7月10~15日 | 清祓(日時は各町により異なる) |
7月12~14日 | 曳初め(日時は各町により異なる) |
7月13日 | 長刀鉾稚児社参。久世駒形稚児社参 |
7月13~16日 | 会所飾り(各町の会所に御神体や懸装品が飾られ、見学することができる。各山鉾のお守りや粽なども販売され、祭りのムードが盛り上がる) |
7月13~16日 | 菊水鉾茶会(菊水鉾会所)、祇園囃子(各山鉾町)などが行われる |
7月14~16日 | 宵山(駒形提灯に明かりが灯り、宵山が始まる。各山鉾町では通りに面した町家の格子がはずされ、秘蔵の屏風などを公開する「屏風祭」も宵山の楽しみ) |
7月15日 | 斎竹建て、伝統芸能奉納(八坂神社の能舞台で今様や琵琶、詩吟などが奉納される) |
7月16日 | 役行者山護摩焚供養。夕方から祇園商店街の特設ステージで芸舞妓による京舞などが披露される。八坂神社では石見神楽が奉納され、夜には日和神楽が各町内から御旅所へ出て、深夜には南観音山で「あばれ観音」という珍しい行事が行われる |
7月17日 | 神幸祭。山鉾巡行(長刀鉾を先頭に「よーいよーい、えんやらやー」の掛け声とともに山鉾巡行が始まる) |
7月24日 | 還幸祭。花傘巡行(花街のきれいどころや、傘鉾、祇園囃子、鷺踊など総勢1000人余による巡行) |
7月31日 | 疫神社夏越祭(八坂神社境内の疫神社に祭りの関係者が参列し、約2メートルの茅の輪をくぐって祭事が無事終了したことを感謝し、無病息災を祈願する) |
上賀茂神社と下鴨神社の例祭として、平安時代から行われています。 その起源は欽明天皇の567年といわれ、占いで凶作の原因とされた賀茂の神々を鎮める祭礼として始まりました。 古くは賀茂祭といわれ、『源氏物語』をはじめ多くの古典文学にも登場します。弘仁10(819)年には勅祭になり、重要な国家的行事になりました。葵の葉を飾るようになったのは江戸時代からで、以降、葵祭と呼ばれるようになりました。
衣裳から小物、牛車に至るまで王朝風俗を再現した総勢500名余の行列はまさに王朝絵巻。中でも腰輿に乗った斎王代は葵祭のヒロインです。毎年、一般女性の中から選ばれます。
行列は御所を出発し、下鴨神社へ。下鴨神社で「社頭の儀」と舞の奉納などが行われたのち、上賀茂神社へ向かいます。新緑の輝く中、しばし王朝の雅に浸ってください。
【問い合わせ】 葵祭行列保存会 075-254-7650
【行程】(時刻は予定です)
京都御所10:30出発 堺町御門→丸太町通→河原町通→下鴨神社11:40到着 社頭の儀14:20出発
→下鴨本通→洛北高校前→北大路通→北大路橋14:55→賀茂街道→上賀茂神社15:30到着
平安時代に弘法大師(空海)が始めたという説、室町時代に足利義政がわが子の冥福を祈るために始めたという説、江戸時代初期に近信尹が始めたという説などがあります。
お盆の行事として行われ、お盆で帰ってきた祖霊を送り火の行事であの世(冥府)に帰っていただくという意味があり、送り火が終わると小さな秋の訪れを感じます。
「大文字」が有名ですが江戸時代には京の名物行事として広く知られ、五山以外にも「一」の字や「竹に鈴」の絵などいろいろあったと記録が残っていますが廃れ、現在の五山が歴史をつないでいます。
【問い合わせ】
大文字五山保存会連合会事務局 075-366-1498(京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課)
【五山の点火時刻】
20:00 大文字 東山如意ヶ嶽(左京区)
20:10 妙 松ヶ崎西山―万燈籠山(左京区)、法 松ヶ崎東山―大黒天山(左京区)
20:15 船形 西賀茂船山(北区)
20:15 左大文字 大北山(北区)
20:20 鳥居形 嵯峨鳥居本曼荼羅山(右京区)